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死神に教わる甘え方。【R-18】

第2章 12月14日【あと10日】


【森下side】

俺は頼ることを知らない大人になった。
俺は甘え、頼られることが当たり前になった。

だからこそ、同期で今の青葉中学校に就職した彼女の存在が異質だった。

俺が手伝おうか?と声をかけると、《私は大丈夫です。これは私の仕事ですので》と言う。むしろ、代わりに彼女の仕事をすると、《すみません!森下先生に任せてしまって……》と謝られる始末。

最初は腹が立った。
なんて可愛げのない女だ、と思った。
だが、彼女もまた甘え、頼ることを知らないんだ、とも思った。

そして俺は興味を持った。
絶対に俺に甘えさせてみせよう。頼らせてみせよう。この興味が、いつしか好意に変わっていた。

「はあ……先はまだ長いな」

というか、彼氏に弁当を作ってもらったってことは……彼氏にはちゃんと甘えてるってことか?

うっわー。
失恋決定かよ。

**********

【死神side】

「るんるんる────ハッ……クショイ!」

なぜだろうか。
今、すごく寒気がした。

「今頃、弁当を食べてるんだろうなぁ……。ちゃんとお弁当も作ってあげてるとか……出来る死神は違うなぁー……なんて!きゃっ!照れる!もしかしたら彼氏って勘違いされてたり!むふふふふふ」
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