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死神に教わる甘え方。【R-18】

第2章 12月14日【あと10日】


なんで?
桜の可愛らしい風呂敷は私がいつもお弁当を入れているものだ。忘れたはずのそれが今目の前にある。

「ボケてたんですか?」

馬鹿にされてる。
変な目で見られてる。

「……?」

風呂敷を解くと、中に弁当と一緒に紙が添えられていた。二つ折りにされたそれを開く。

《お弁当を作っておきました。お口に合うか分かりませんが、ぜひ召し上がってください。それと、今日の夕飯はグラタンです。8時ちょうどが食べ頃になるように作るので、それまでに帰宅してください。》

「ぶっ!?」

あんの死神……!

手紙を手に持ったまま硬直した私を不思議に思った森下先生が、私の手から手紙を奪い取る。

「うわ、ちょっ、やめてください!」

くそぅ!
森下先生(182cm)と私(155cm)じゃ奪い返せない!認めたくはないけど、身長差がありすぎて手が届かない!

「なんですか、これ」

「そ、それはっ、そのっ」

何か言い訳。言い訳!
森下先生に死神が家にいるってバレたらどうしよう!

いや、まず死神が家にいるとか疑う人なんていないんじゃ?

…………。

じゃあ、大丈夫か!

「別に何だっていいじゃないですか。森下先生に関係ありません」

今日の夕飯はグラタンかー。
グラタンなんて久しぶりだなー。

そんなことを考えながら、ルンルン気分で教室に向かった。
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