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死神に教わる甘え方。【R-18】

第2章 12月14日【あと10日】


「はあ……。私、森下先生に構ってる時間ないんで」

早く何か買いに行かないと。
コンビニで何かを買って………いや、でもそうすると生徒達を教室に残して外に出ることになっちゃう。それはだめだ。その間に何かあったらどうするの。

「だからどうしたんですかって最初から聞いてるじゃないですか」

言ったら馬鹿にする癖に。

「………弁当を作るの忘れたんです。だから弁当がないんです」

あー、屈辱。
この先生に言うハメになるとは。

やっぱり鈍臭いんですね。ぷぷぷ。

って言われるくらいの覚悟をしておかないと。

ファインティングポーズを取り、森下先生をきっと睨みつけるように見つめる。

「なら俺が買ってきましょうか?俺は担当のクラスないですし。なんなら、俺の食べます?」

「次言ったらグーパンチが飛びます……よ?え?」

「なんでですか。こわ」

想定外だ。
まさかそんな優しいことを言ってくれるだなんて!見直した!

「じ、じゃあ、お言葉に甘えて……」

「まあその代わり、今日は酒を奢って下さいね」

「遠慮します」

森下先生は所詮、森下先生なのだ。この人に頼ろうとした私が馬鹿だった。やっぱり全部私がしないと。

「結構です。今日はお昼無しで頑張りますので」

出勤中に買った水を取りだそうとカバンの中を覗く。

「え、うそ……」

「どうしたんですか?」

「………ある」

「何がですか?」

ニヤニヤしながら、森下先生が私のカバンを覗く。レディーのカバンを覗くなんて最低!だとかそういうのは置いておいて。

「弁当、ありました」
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