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死神に教わる甘え方。【R-18】

第2章 12月14日【あと10日】


一日は本当にあっという間だ。

もう4時間目が終わり、給食の時間だ、と生徒達がきゃっきゃ騒いでいる。

「あっ………」

そして、その中に浮かない顔の私。

どうしよう。
あの死神が私を急かしたせいで、お弁当を作るの忘れてた。ま、まあ、おかげで今日中に終わらせなきゃならない仕事はほとんど終わったんだけど。

「どうしたんですか、らしくない」

職員室に入るなり、同期の森下先生にそう声をかけられる。

「どちらかと言うと、この鬱な顔は逆に私らしいと思いますけど」

正直に言います。
私は彼が苦手です。

「確かに言えてますね」

否定しろよ。

「それで?どうしたんですか?」

「別に関係ないじゃないですか」

彼が嫌いって分かりやすい?

よく言われます。
思ったことが全て態度に出る、と。

でも、どうも苦手なんです。
彼のように気軽に私の引いた一線を踏み込んでくる人は。私の気も知らずに易々と踏み込んで、ずけずけと。

「はあ……」

森下先生に聴こえるようにため息をひとつ。

「………そんなに俺のこと嫌いかよ」

森下先生がぼそりと呟く。

「え?なんて……?」

「いえ、別に」

「なんて言うと思いましたか。丸聞こえなんですよ。少女漫画じゃないんだから、そんな都合よく聞こえない訳がないでしょう」

まあ多分というか絶対に彼は私のことを嫌っているだろうけど。私だってそれなりと態度を取ってる訳だし。

「……性格悪」

「聞こえてます」
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