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Feel me?【ハリポタ長編/ドラコ夢】

第6章 周りが「悪」に見えてくる


「あれ、皇?」

「…ハリー…?」

「ど、どうかしたの?
 目が真っ赤だけど…」

「うん…実は、パーキンソンのレポートを無くしてしまったみたいで…
 今、探してるの…」

レポートを探して、目が真っ赤になるだろうか。
とハリーは首を傾けた。

「そっか。
 一時間くらいしか力になれないと思うけど、僕も手伝うよ。」

皇はハリーに背を向けて、零れる涙を拭った。

「そんな事…ありがとう、ハリー」

皇は振り返って、笑顔を向けた。
ハリーは頬を赤らめる。

「良いんだ。
 さぁ、下手な文字の羅列を探そうか。」

皇はクスリと笑う。

先生と会ったのは、玄関ホールの中央階段だ。
もしかしたら、樫造りの扉が開き、風で飛んだ可能性もある。
皇とハリーは隅々まで探した。
鎧の足元、掲示板の裏、数人しか居ない大広間。

皇は焦っていた。
パーキンソンは意地悪だし、これ以上、スリザリンからの信用を失いたくない。
きっと、寮内でも、言いふらし回っているに違いない。


ハリーと皇が中央階段の踊場を探して居ると、ハリーが顔を上げた。

「皇。」

「み、見つかった?」

ハリーは力なく、首を横に振った。

「いや…残念だけど…
 僕、そろそろ…」

「ホグワーツの王子様とお姫様が、何をしているんだい?
 あぁ、分かった。
 ダンスの練習でも?」

マルフォイの声が、中央階段の下から聞こえる。
皇とハリーは吃驚して、声の主に顔を向けた。
マルフォイが、さもつまらなさそうに腕組みをしている。

「マルフォイ…」

ハリーが溜め息を吐く。
皇は震えていた。
きっと、パーキンソンの話を聞いて、私をからかいに来たんだわ。
ハリーを守らなきゃ…

「ハ、ハリーは関係無いの。
 レポート探すの手伝ってくれてて…」

マルフォイは片眉を吊り上げた。

「もう彼も帰る所だから…だから…」

皇は拳を固める。
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