第5章 発症
昼食を食べに大広間に行くと、皇のフクロウが嘴に手紙をくわえ飛んできた。
「…お母様からだわ。」
可愛い 皇
返事が遅れてごめんなさいね。
お父様は忙しくて、私が代筆しています。
お父様と、お兄さんは昇進したみたい。
毎日仕事で、最近やっと落ち着いたわ。
私達の名前もどんどん浮上しているらしくて、お行儀には更に気を付けなければいけないわ。
お友達の件だけど…
私達は全く構わないわよ。
きっと皇にとってチェルシーさんは、スリザリンで言う『真の友』なんだわ。
皇は皇らしく、ね。
でも、マルフォイ家のご子息に言われたなら、少し注意が必要よ。
それじゃぁ、またお手紙待ってるわ。
父 母より
皇はその手紙を読むと、嬉しくて顔が綻んだ。
「イヴ、何かあったのか?」
「いいえ。
うふふ」
チェルシーが私の真の友…
考えると嬉しかった。
「なんだよ、気持ち悪いヤツだな…」
マルフォイはニヤリと笑う。
パーキンソンも馬鹿にしてきた。
「ほーんと!緩みきった顔!
みっともないったら…」
皇はそんなパーキンソンを無視して、ミネストローネをカップに注いだ。
「イヴ、ポテトサラダ、食べるだろ?」
マルフォイはパンを飲み込むや否や、皇に皿を渡す。
「えぇ。ありがとう。
…なんで、私の好みが分かるの?」
マルフォイは、びっくりした顔をして、顔を微かに赤らめた。
「お…お前、気付いて無かったのか?
毎日、ポテトサラダがある日は、そればかり食べてるじゃないか…」
マルフォイは慌てて、ポタージュスープを飲んだ。
そうだっけ。と皇はボーっと記憶を手繰った。