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Feel me?【ハリポタ長編/ドラコ夢】

第4章 日常


飛行訓練の授業。
これが午前の最後の授業だ。

「さぁ、先週を思い出すんですよ。
 始めっ」

マダム・フーチの笛が聞こえる。
皇は三回瞬きをした。

「上がれっ」

箒は素直に皇の手に吸い付く。
いつもこう素直なら良いのに。と溜め息を吐いた。

「Ms.イヴは飛行訓練が苦手でしたね。
 まずは、浮いてみなさい。
 怖がらない様に。」


悲しい。
チェルシーが何も言わずに、寮のテーブルに戻ってしまった。

こんなに寂しいのは、初めて…。


「Ms.イヴっ、そんなに上がって大丈夫なの!?」

「えっ…!?」

先生の声に顔が青ざめた。
下を見る前に、もう1m浮上した。

「…!?」

「…何やってるんだ、お前…。」

「マルフォイ…?」

気付けばマルフォイが、片腕を引っ張ってくれていた。

「ボーっとし過ぎだ。
 ほら、箒を握れ。
 地面は見るな、目が眩むぞ。」

皇が箒を握るのを確認すると、手を肩に回して数回優しく叩いた。
まるで、子供をあやすかの様に。


「何で…?」

「…何がだ」

「どうして、マルフォイは分かるの…?」

「…お前は不器用だからな。
 まぁ…いつか、分かる様になるさ。」

皇は訳が分からない。と言った表情で、箒から降りると、一気に力が抜けて、座り込んでしまった。
マダム・フーチが皇に駆け寄った。
パーキンソンまで、降りてきた。


「あぁ、Ms.イヴ、大丈夫ですか?
 無理をしたMs.イヴ、5点減点です。
 友達を助けたMr.マルフォイには10点あげましょう。」

マルフォイと取り巻きはハイタッチをして喜んだ。

「アンタ、ドラコに感謝しなさいな」

パーキンソンは、座り込んだ皇にそう言った。

「…うん。
 ありがと…マルフォイ…。」

「…別に、良いんだ…。」

マルフォイは青白い顔を少し赤らめた。

その日は予定も無かった事だし、チェルシーにも会い辛かったので、自然とマルフォイと行動を共にしていた。
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