第3章 魔法薬学の授業
スネイプの低音の声が響く教室。
皇の右肩を誰かが軽く叩く…チェルシーだった。
チェルシーを見ると、机の端を指差している。
黄色い付箋がピラッとくっ付いていた。
勉強中にだけ掛けるメガネをかけ直し、その付箋にピントを合わせた。
『マルフォイウザい』
皇はつい、笑ってしまう所だった。
必死で笑いをこらえ、チェルシーを見ると、チェルシーも笑いをこらえていた。
皇も鞄から付箋を取り出して、返事を書いた。
『そうね(内緒だよ!)』
スネイプが黒板に振り返った時、皇は素早く机に貼り付けた。
それを読み、チェルシーはまたペンを握る。
『どうして、マルフォイの前だと、大人しくなっちゃうの?』
『家柄の問題が絡むんだよ…』
2人はスネイプの目を盗み見て、やりとりをする。
『詳しくは、今夜手紙で書くから。』