第19章 お引っ越し
結果、粘ってまで聞かなきゃ良かったと後悔する羽目になる。
見ない方が良いと判断した光太郎も、中々言わなかった京治くんも、間違っていなかった。
…だって、ポストの中に入っていたのは…。
「…雑誌の切り抜きでしたよ。…体液らしきものが入った、アレ付きで、ね。」
「アレって?」
「メジャーな避妊具と言えば分かりますか?」
このレベルで、気持ちが悪いものだったから。
後半部分は、言わなくても良かったんじゃないかと思ったけど。
ただの切り抜きなら、見ない方が良い理由が分からないから、正直に答えてくれただけなのだと思う。
確かに、聞いただけで二度とポストを触りたくないと思うくらいの事だ。
気持ちが悪くて吐き気までしてきた。
呼吸が勝手に荒れて、指先が痺れるような感覚があって、目眩まで起こしている。
京治くんは、そんな状態の私の背中を撫でてくれて。
後から来た光太郎も、手をしっかり洗ってから頭を撫でてくれて。
徐々に、落ち着きを取り戻す事は出来た。
それでも、次の行動を起こす事が出来ない。
そんな私に代わって、京治くんが事務所に連絡をしてくれたり、色々と動いてくれた。