第18章 3回目
ようやく、落ち着いた空気になって3人で雑談を始める。
と、言っても光太郎がマシンガントークを放っているだけだけど。
なんか、学生時代に戻ったみたいで楽しかった。
その心地好い空間は、扉の開く音で終わりを告げる。
「大熊さん、帰る準備出来まし…って。」
中に入ってきた縁下さんが、言葉を途中で止めて私に近寄ってきた。
顔は、完全に怒っている。
「男関係のスキャンダルを多数抱え掛けた大熊さんが、やっていい事じゃないよね?」
「…あ。」
私は、幼馴染みとその後輩だから意識してなかったけど、彼等は異性で。
リエーフや及川徹との仲を疑われて色々言われてきた私が楽屋に連れ込むのはマズかった事に今更気付く。
「俺達が、押し掛けただけです。すみませんでした。木兎さん、行きましょう。」
「お、おぅ。…りこ、またな!」
京治くんが、光太郎を引き連れて出ていく。
それを見送った後、縁下さんが溜め息を吐いた。
「事故の件にしてもそうだけど、男性関係も警戒心を持って行動してくれないと困るよ。」
「すみません。」
なんか今日は謝ってばっかりだな、なんて思いながら帰り支度をして。
縁下さんに送られて家へと帰った。