第18章 3回目
多分だけど、逃げる企画で突き飛ばされたのに気付いているんだろうな。
だから、あの女を追い払った。
何やら私に対して怒ってそうな気もするけど、怒られる理由は無い。
「有難う。」
女を遠ざけてくれた事に、お礼さえ言えば解決。
そう、思ったのが間違いだった。
「りこ、お前、何で俺達に相談しねぇの?」
「そうですよ、りこさん。危ない目に遭ったというのに、ジムからも1人で帰ったりしてましたし。」
「いや、1人で帰っては無いから。ボディーガード代わりに、何でも屋さんが一緒に帰ってくれてるから。」
弁解するように慌てて言葉を発する。
それが、京治くんを更に怒らせたようで。
「危ない目に遭った、は否定しないんですね?」
これまでよりも、低い声が落とされた。
「…取り合えず、楽屋で話そうか。ここでは、ちょっと…。」
スタジオには、まだスタッフだとか沢山いる状況。
この場で立ち話をしていると、周りに聞こえてしまいそうだった。
またもや説教されるのを覚悟して移動を提案する。
それには、納得してくれたようで、3人で私の楽屋に向かった。