第17章 お食事会
岩泉さんは、なんというか…実直な人だ。
正義感が強くて、曲がった事が大嫌いなんだろう。
ブログの事を謝らない及川徹も、そちらを庇った私も理解出来ないみたいだ。
眉間に皺を作って難しい顔をしている。
「岩ちゃん、レディの前でその顔は失礼だよ。」
「ウルセェ。コレが素だ。」
その、不機嫌に見える岩泉さんに話し掛けられるのは及川徹な訳で。
下手に会話に入って、また空気を悪くしたら嫌だから黙って2人を見ていた。
「こんな力んだ顔が素顔なワケないでしょ。シンデレラちゃん怖がっちゃうよ?」
「…ウルセェ。」
2人の話はなんだか、コントみたいだ。
こういう、やり取りが最近流行ってるのかな。
なんとなく、よく見ている光景な気がする。
リエーフと夜久さんとか、光太郎と京治くんとか。
何だかんだ言っても、仲が良い人達の雰囲気がそこにあった。
2人の話が微笑ましくて、邪魔しないように黙って眺めていると、個室の扉が開いて飲み物と料理が運ばれてくる。
その時に、一度は言い合いを止めたものの、数分したらまた同じようなやり取りが始まって。
最後まで、その調子のままだった。