第16章 驚きの事実
だけど。
『……いや、良い。』
長い間の後、返ってきたのは、またもやお断り。
『岩ちゃん、何言ってんのさ!女の子のお誘い断るなんて!』
怒ったのは、私じゃなくて及川徹。
会話の内容が分かったのは不思議だけど、問題はそこじゃなくなった。
『ね、君。岩ちゃんなんか放っておいて、及川さんとデートしない?』
電話を奪ったのか、話の相手が切り替わる。
「及川…さん。私と写真とか撮られたら大変な事になりますよ。」
『…え?この声、シンデレラちゃん?なんで、岩ちゃんと知り合いなのかな?』
どうやら、電話の相手が私だと知らなかったようだ。
私は私で、2人が知り合いなのに驚いたけど、向こうは向こうで、こっちの関係に驚いて。
それからは、捲し立てるように質問攻めをされた。
最終的に、私が危険な目にあったのは及川徹のブログの所為だから。
及川徹が、私達にご馳走してくれる名目で、2人と食事に出掛ける事が決まった。
それでは、私のお礼という目的は果たせないのだけど、当日までに何か他の事を考えるとして。
その日を楽しみにしながら、オフの1日を終えた。