第14章 アイドルの影響力
そのまま続いた会話の中で、先程のバイクに轢かれそうになった事を話され。
黒尾さんには、くどいぐらいの説教をされた。
今日は、もう家に帰るように促されて立たされる。
私としても、外にいる勇気は無かったから、送ってくれるなら有難いと思って従った。
去り際に、お礼をしたいと話して男性から名刺を貰う。
【SEIJO警備会社 岩泉一】
そう、書かれていた。
何でも、黒尾さんは、仕事関連で何回か顔を合わせた事があったらしい。
便利屋さんが、依頼だからしてくれるボディーガードは、付き添いがメインだけど、あっちは本業だ。
社長もどうせなら、プロに頼んで欲しかったな。
黒尾さん、胡散臭くて信用出来ないから。
大体、さっきだって、あんなタイミングで現れるとか、付け回されているとしか思えない。
それなら、バイクの一件だって本当は見ていた筈だ。
ボディーガードなら、助けてよ。
自分の不注意もあったのは分かっている。
だけど、苛々を向ける矛先にした。
「なんか、イラついてね?」
「苛々もしますよ。何で、私があんな目にあったのか分からないので。」
隣を歩く人の声に更に苛々する。
しかも、スマホを弄り始めたのが見えて、眉を寄せた。