第11章 帰宅後
残された、部屋の中。
疲れていた筈なのに、眠かった筈なのに、それは全て吹っ飛んでいた。
月島さん、ヤキモチ妬いてた?
意外に私を意識してくれてる?
そんな、プラス思考と。
ワンデレラに恋愛禁止は無かった筈だけど、リエーフの方はどうなんだ?
王子様なんてイメージを作っているモデルに、恋愛関連の噂は駄目だろう。
王子様も、結局は普通の男である証明みたいなものだ。
イメージダウンした、慰謝料とか取られるんじゃないか?
こんな、マイナス思考。
正反対の2つの事を同時に考えて、1人で一喜一憂している。
頭がパンクしそうで、何をすれば良いか分からない。
紙とペンを取って、プラスに考えている事と、マイナスに考えている事を書き出した。
文字にしてみたら、今の自分がすべき事が見えてくると思う。
紙に並べた文字。
それを眺めていると、プラスに考えている部分は、私生活の面において重要だけど。
今の私には、もっと優先しなきゃいけない仕事がある事に気付いた。
1年シンデレラの番組を、有名人狙いの女がやっていた、なんて悪いイメージを付ける訳にはいかない。
それが、一番重要だ。
プラス思考の部分は考えないように、文字の上にバツ印を書いて、事態がどの程度のものなのか、確認しようと社長に電話を掛けた。