第10章 目覚めは最悪
…で、結局。
人に軽めのものを食べれば良いなんて言ったクセに、光太郎が肉を食いたいと騒ぎだし。
また京治くんが呆れながら止めていたけど、奢るから良いだろ、なんて見当違いの事を言って押し切り。
無理矢理連れて来られた焼肉屋。
人の事なんか、これっぽっちも考えていない光太郎は、好きなものを頼みまくっている。
しかも、5人前ずつとか頼んでるのに、全部が全部、自分の分だという。
呆れすぎて何も言えない私とは対照的に、京治くんは奢りを良い事に高い肉から頼み始めていた。
因みに、私が食べるものは強制的に京治くんによって決められている。
しかも、今日から早速記録を始めるらしく、写真を撮らされた。
可愛らしいデザートとか、豪華なディナーを撮るならともかくとして、本日のメニューは少量の脂身が少ない肉と、サラダとかである。
嬉々として撮りたいものではなく、恥ずかしかった。
そんなこんなで、やっと終了した食事は、宣言通り光太郎が支払いをしてくれて。
店の前でやっと2人から解放された。