第10章 目覚めは最悪
京治くんの話が終わり、次にベッドサイドまで来たのは光太郎。
こっちは1枚の紙を渡してきた。
「俺からはコレな。りこが、アレは無理なの、よーっく分かったから、ちょー軽めのスペシャルメニュー!」
それは、さっきのトレーニングメニューが書いてあった紙で。
数字が無理矢理直されていたり、元々の文字を塗り潰したりされていて、読めたものじゃない。
「ごめん。これじゃ、読めない。」
「ですよね。ちゃんと、作り直すように言ったんですが…。」
横から紙を覗いた京治くんも呆れている。
「えー?分かんねーなら、メールすっからいーだろ!りこ、アドレス変わってねーよな?」
「変わってないけど、個人的なやり取りするのって良いの?」
「元から知り合いなのに、周りに文句言われるスジアイねーよ。この話、終わり!」
能天気な光太郎は、解決策があるから良い、と決めてしまったようで。
その上、仕事の話には飽きてしまったようで。
勝手に終了させた。
「…でさ、りことも久々に会った事だし、これから3人で飯行こーぜ?」
「りこさん、倒れたばかりですよ。何言い出すんですか。」
「りこは軽めのもん食えば、いーだろ。俺、腹減った!」
急激に話を変化させる光太郎に、なんとか応戦してくれた京治くんだったけど。
こうなった光太郎を止められる事は勿論無く。
私共々、諦めて食事に付き合う事になった。