• テキストサイズ

【HQ】1年シンデレラ

第7章 お披露目の日


‘1年シンデレラ’の番組の撮影の日。
すでに、口から心臓が吐き出せそうなくらいに緊張している。

テレビに映る事を考えただけでこうなのに、あの社長から今日まで課せられた指示は…。

‘自分のケア禁止!’

なのである。
なんでも、地味であれば地味であるほど、変わった後のインパクトがあるからだそうだ。

眉の手入れすらしていない、化粧もさせて貰えない。

迎えに来てくれた縁下さんだって、余りの地味っぷりに一回私の前を通り過ぎたレベルだ。

そんな、女性として終わっている状態で世間様にお目見えするだなんて、緊張どころの話ではない。

初めて入るテレビ局。
擦れ違うのは芸能人やら業界人。
ワンデレラは、発表まで紹介して貰えないのが通例らしい。

私を見る目が、なんでこんなのがいるんだ、と言っている。

場違いなのは、分かってますから!
逃げられるものなら、私だって逃げたい!

頭の中で叫んでみても、ここまで来たら無駄な事で。

番組の撮影が始まってしまった。
/ 243ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp