第35章 私の騎士様(岩泉エンディング)
約束の日。
私が1人で外に出ると、危ない目に遭うイメージがあるのか、岩泉さんが迎えに来てくれるらしい。
今までは、たまたま、そういう目に遭っていただけで、普段からそこまで危険な生活をしている訳では無いと言うのに。
まったく、心配性だな。
だけど、こうやって心配してくれる人が居る事実は嬉しくて顔がニヤける。
岩泉さんは、王子様じゃないけど、私を護ってくれる騎士様みたいだ。
出来るなら、ずっと私の事を護って欲し…い?
えーっと、今、私、何を考えた?
ずっと、とか思わなかった?
それって…。
浮かんできた思考で、軽くパニックを起こしている。
こんな事を考えてしまったら、岩泉さんと食事とか恥ずかしくて無理。
2人きりじゃないのが救いだ、と思った時。
1通のメッセージが届いた。
あの、食事に行く用グループに塩キャラメルさんから。
【デートの予定入ったんで、今日止めときます。そっちもデートしてきて下さい】
「うわぁぁあっ!」
思わず上げた悲鳴。
つい、スマホを投げてしまいそうになる。
2人きりは無理だと思った矢先に、コレ。
しかも、2人きりを意識させようとしてるみたいなデートを主張してくるオマケ付き。
【じゃあ、別の日にするか?】
【また予定合わせんの面倒なんで、お2人でどうぞ】
岩泉さんが、延期を言い出してくれて安心する。
やっぱり2人きりを主張してきたけど、逆に嫌がって断ってくれる筈。
【了解】
私の当ては外れて、あっさりと入るメッセージ。
今更、私から延期を言い出しても無駄な気がして、2人きりでの食事が決まった。