第35章 私の騎士様(岩泉エンディング)
その後のやり取りも、前回とほぼ同じで、再度お断りされる。
違うのは、電話じゃないって事だけ。
前の時は、たまたま及川徹が一緒にいて、私の気持ちを汲んだのか岩泉さんを乗せてくれたけど。
今回、頼るのは違うような気がする。
そんな事を思っていたら…。
【岩ちゃん!女の子のお誘い断っちゃダメでしょ!】
なんて、メッセージが入ってきた。
差出人は、勿論及川徹。
どうして、この会話に入ってきたのか不思議に思ったけど。
よくよく画面を見たら、グループトークになっていた。
そういえば、食事をした時の連絡用にグループ作ってたんだっけ。
個人じゃなくて、グループの方にメッセージを入れるなんて、岩泉さんも案外おっちょこちょいなんだな。
【うるせー。黙れ、クソ!】
【せめて川付けて!クソじゃ、ただの悪口でしょ!】
【どっちでも悪口のつもりだ】
【及川さんの扱いヒドイ!】
相変わらずの、コントみたいなやり取りが流れている画面を見ながら、2人の仲の良さを思い出して、小さく笑う。
【割り込んですみません。岩泉さん、本当にお食事は駄目ですか?】
【いーよ!ドコに行きたい?及川さんがご馳走しちゃう】
【テメーに聞いてねぇよ!】
【岩ちゃんが行かないなら、俺が行っても良くない?】
【良くねーよ】
脱線した話題を本題に戻そうとしてみたけど、そこから始まるのは、またもコント。
結局、こんな感じでやり取りは夜中まで続き。
最終的には、及川徹のアシストもあって、岩泉さんとの食事が決まった。
但し、今回私の為に犯人を捕まえてくれた人も同行する条件付き。
会った事もない人が一緒なのは私の方が嫌だったけど。
岩泉さんの職場の人らしいし。
連絡用にグループに招待して貰ったら、名前が‘塩キャラメル’だし。
何と無く、前に聞いた後輩さんのような気がして、嫌では無くなった。