第35章 私の騎士様(岩泉エンディング)
何か起きたら、相談しやすくなるとか思っていた割に小心者の私。
他にも、通報するかだとか聞かれたけど、拒否をする。
「本人が嫌がってるから、そのまま捕まえとけ。俺がシメる。」
岩泉さんは、最後に物騒な事を言って通話を終わらせていた。
「お前、俺の番号知ってるな?何かあったら、連絡しろ。」
去り際に、頭をぽんっと叩かれて、呆気に取られたまま見送ってしまった。
今、されたのって頭ポンポンですか。
女の子の夢見る萌えシチュエーションの内の1つの。
こんな、馬鹿げた事が頭に浮かんで、赤面するまでに数分。
更に、体を正常に動かせるようになるまで、また数分。
歩き始めた頃には、髪に付着していた卵がカピカピに乾いていた。
こんな頭のままで、外を歩き回れる訳はない。
真っ直ぐに家に帰ってシャワーを浴びた。
風呂場から出て、スマホを見るとメッセージが届いている。
相手は、岩泉さんだった。
卵の犯人は、きっちりシメられたみたいで。
2度としないと誓約書まで書かせたようだ。
その画像が添付されている。
私を安心させる為にやってくれたのだろうし、お礼として食事に誘うメッセージを送り返してみた。
前みたいに、当然の事をしたまで、と取り合ってはくれなかったけど。
して貰った事に対して、お礼すら出来ないのは気分的に宜しくない。
だから、以前と同じ和食処を出して、また行きたいから付き合って欲しい、と返信した。