第2章 オーディション
オーディション当日。
会場の中には、人、人、人。
どこを見ても、美人だったり、可愛らしかったり。
見た目だけなら、私が一番ブサイクである。
この中から、1人しか選ばれないシンデレラ。
確実に無理だな。
でも、ここまで来て帰るのも馬鹿馬鹿しい。
受ける権利はあるんだから、やるだけやってみよう。
受付に、書類選考合格の通知を出す。
周りにいた人達は、一斉に私を見た。
‘あんなのが、書類選考通ったの?’
‘うわ、恥さらし。ブスがシンデレラとか無理でしょ。’
わざと私に聞こえるように言ってくる陰口。
そんなので止めるんだったら、そもそも会場に来ない。
悲しいかな、自分がブサイクだってのは自覚済みなんですよ、私。
周りの声は無視をして番号札を受け取り、控え室へ。
そこでも、似たような陰口が聞こえたけど気にしないようにしていた。