第34章 何より美味なもの(赤葦エンディング)
以来、京治くんは食事どころか行動全体を管理するようになる。
食事メニューは、運動する為のものに変更されて、彼の職場であるジムに入会させられた。
朝、食事をしたら京治くんの出勤に合わせて一緒にジムへ。
運動する私と、食事指導をする京治くんは別行動になるけど、お昼は一緒にお弁当。
午後は、比較的自由に過ごして、京治くんの終業を待って一緒に買い物をして帰る。
四六時中、行動を共にしていると、予想が出来る今後の展開。
「なぁなぁ、りこと赤葦って付き合ってんのか?」
そして、その通りの展開がやってくる日がきた。
とにかく、興味を持ったら一直線に向かってくる光太郎。
あれだけ、一緒に居る所を見ていて気付かないフリをしてくれる訳がない。
話があると、京治くんと2人して呼び出され、前置きもなく質問を飛ばしてきた。
「そんな訳ないじゃん。京治くん、私がデブったから、ダイエットさせてくれてるだけだよ。」
同居はしてるけど、同棲じゃない。
恋人関係ではない。
首を振って力一杯否定をする。
京治くんの方は、一瞬だけ不快感を表すような顔をした気がした。
何か、マズイ事でも言ってしまったかな。
「京治…くん?」
「…どうかしました?」
「いや、何でもない。」
顔を覗き込んで問い掛けてみても、その時には無表情に戻ってしまっていて。
しつこく聞く訳にもいかず、話を終了させた。