第34章 何より美味なもの(赤葦エンディング)
その日から食事の指導と言う名の管理が始まって。
毎日、京治くんが用意したメニューの料理を作っている。
京治くん自身は、栄養学を駆使したメニューを考えるのは好きなようだけど、料理自体は苦手みたいだった。
買い物は大体してきてくれるし、運動をしろと強制はされていないから、シンデレラ時代より楽な生活だから、食事の用意くらい嫌なものでもない。
キチンと計算されたバランスの良い食事は体を整えてくれて。
肌の調子は良くなるわ、体重は減るわ、の良い事三昧。
少しずつ綺麗になっていく自覚が生まれると、本格的なダイエットをしたくなる。
丁度良く、私が使わせて貰っている部屋には、健康器具が沢山設置されていたから、使ってみる事にした。
そういった器具は、使い始めは楽しいもので。
遊びの感覚で過ごす事、数時間…。
運動無しでも、痩せられるように制限された量しか食事を摂っていない体は耐えられず、ぶっ倒れて。
「アンタ、何やってんすか。」
京治くんに、怒られる羽目になった。
「運動するつもりなら、それなりのメニューがあるんです。無茶して、体壊して痩せるような真似をされたら困ります。
大体、少しならともかくとして、いきなり何時間も運動して大丈夫だと思ったんですか。」
しかも、この説教が長い。
最終的には、筋肉痛だとかの心配をしてくれたのは優しいとは思うけど、長すぎて聞くだけで疲れ果ててしまった。