第6章 宣言
先に進んでいく社長の後ろを歩いて部屋に戻る。
月島さんを見たであろう社長が振り返って、私の顔をマジマジと見てきた。
「…お前、高望みしすぎじゃね?ムリっしょ、どう考えても。」
至極、真面目に言われた。
「いや、それで告れた度胸だけは認めるけどなー。顔面のレベルが、違いすぎ。」
「そうですよねー。こんな、ブサイク、どう考えても無理ですよねー。」
尚も馬鹿にしてくる社長と、それにノる月島さん。
でも、社長の方は何かが気に食わなかったみたいで、馬鹿にした目付きをそのままに月島さんを眺めた。
「こういうのは、ブスじゃなくて地味っつーの。」
親指で示されたのは私の顔。
一瞬。
本当に、瞬きをする間くらいの時間だけ、空気が凍り付いた。
それを、壊したのも社長自身で。
「はい、大熊りこ!1年シンデレラの応募理由!」
にこやかに笑いながら、まるで面接をするかのように、声を出した。