第33章 恋人契約(照島エンディング)
それから数分後、インターフォンの音が聞こえる。
まさか、こんなに早く来るとは思わず、社長じゃなくて嫌がらせを警戒してしまったけど。
「俺だっつーの。開けろって!」
ドンドンと、扉を叩かれて社長だと確信した。
玄関を開けて中に通すと、勧めるよりも前にクッションの上に座り、テーブルに書類を並べている。
「社長。」
もう一度、契約してくれるのは有難い事だけど、気になる事があった。
それを解決しておきたくて声を掛ける。
「あの時、契約を継続してくれなかったのに、何で今更再契約するんですか?」
そもそも、この人に切られていなければ、後ろ楯があった訳で。
外に出たくなくなってしまう程の嫌がらせとか受けずに済んだ筈だ。
小さい事でも、積み重なれば不信感が大きく膨らみ、人を信じる事が怖い。
社長すら、今は信じたく無かった。
社長が、一冊の雑誌を取り出す。
ニヤニヤと、楽しそうな笑顔で開いたページを私に見せてきた。
そこには…。
【1年シンデレラ事務所社長、熱愛発覚!?お相手は元シンデレラ?】
と、いう記事。
付属されている写真は、この前の小旅行の時のものだ。
何の関係があって、こんな記事を見せてきたのか分からなかった。