第33章 恋人契約(照島エンディング)
あの、小旅行から数週間。
件の番組のスタジオ撮影も終わり。
それが放送されて私の貧乏暮らしが明かされ。
生活が一変した。
家バレしてしまって、食料とかの仕送りみたいな宅配便が大量に届くのだ。
勿論、無闇に受け取ると後が怖いから、拒否をしているけど。
それを続けると、人の好意を受け取ってくれない、とバッシングがネットで始まって。
家バレしてるものだから、中傷の手紙だとかも届くようになってしまった。
ちゃんとした事務所に所属していれば、こういう時に護ってくれる後ろ楯があるけど。
フリーの登録サイトに名前を載せているだけレベルの私に、そんなものは無くて。
外出中に、ぶつかったフリをして鞄にゴミを入れられたり、私を見てわざとらしく笑ったり。
小さい嫌がらせが増えて。
外に出る事が出来なくなってしまった。
そんな中、社長から電話があって。
『お前、うちの事務所戻って来ねぇ?』
電話に出て早々に、こんな事を言われる。
正直に言えば、ちゃんとした事務所に入るなら、やっぱり社長の所が良いけど。
なんとなく、信じられない軽く人間不信の状態で。
『移籍ってーの?別に珍しくもねぇべ?
契約書、持ってってやるよ。』
何も答えられずに居ると、勝手に話を進めて電話を終わらせられた。