第32章 解けない魔法(リエーフエンディング)
正解を示す、ピンポンという効果音が鳴ってカーテンが開かれる。
目の前に、リエーフが見えなくて眉を寄せてしまったけど。
「りこ、足出して。」
声が聞こえて下を向いた。
床にリエーフが膝を付いている。
手際よく、私の後ろに椅子が用意されて腰を下ろした。
片足を、リエーフの前に差し出すと、ヒヤりとした感触。
飾りだと思っていた、履けないと思っていた。
だけど、私の足にピッタリとはまったガラスの靴。
それを確認して、いつもの曇り一つない満面の笑顔で私を見上げるリエーフ。
カボチャの馬車も、綺麗なドレスもない。
でも、リエーフは私をシンデレラにしてくれた。
見つめ合っている内に、番組の終了時間になって、慌ててカメラに向かって手を振る。
すぐにカットの声が掛かり、撮影は終了した。
12時は過ぎたけど、私達の魔法は解けない。
再びリエーフの顔を見た。
「リエーフは、私の王子様だよね?」
「おぅ!りこは、俺のシンデレラだろ?」
これが、お互いに告白なのだと分かっている。
周りからは口笛やら、拍手の音が聞こえてきた。
リエーフのファンだろう女の子からも、お幸せに、なんて声が掛かる。
盛大な祝福ムードの中で、私達はキスを交わした。
リエーフエンディング‐end.‐