第6章 宣言
月島さんを、部屋に招いた。
最初は嫌がっていたけど、会社を辞める理由を話すと言ったら、渋々だけど着いてきてくれた。
本当は、私のお披露目になる‘1年シンデレラ’の番組までは、人に話してはいけない事だ。
だけど、私はすでに退職理由として澤村さんには話してしまっている。
さっきの、ポロりと零れた一言以外は澤村さんも黙ってくれていたし、月島さんもきっと口は堅い。
いや、私がワンデレラって言っても周りが信じないだろうから言わないだろう。
だったら、知って欲しい相手には教えないと。
「これ、見て下さい。」
差し出した紙。
1年シンデレラの契約書。
それを、信じられないものを見るような、引きつった顔で眺めている。
「…よく出来た、偽造書類だね。」
やっと、喋ったと思ったらまだ私を疑っていた。
契約書を見ても信じないなら、どう説明すればいいかなんて分からない。
少しの間、悩んで。
ある事を思い付いて電話を取り出した。