第25章 好きな仕事
それでは納得しなかったリエーフも、最終的には、夜久さんから投げられたペットボトルによって黙らされ。
辿り着いたリエーフの自宅前で夜久さんに引き摺り降ろされた。
私から引き離されたのが、余程気に食わないみたいで、またギャーギャー騒いでいたけど、今度は夜久さんの蹴りで制圧され、家へと入っていく。
2人を見送ってから、再び走り出す車。
「縁下さん。スーパー寄って下さい。」
「大熊さん、本気で作る気?」
「だって、作らなかったら次に会った時に騒がれそうじゃないですか。申し訳ないんですが、届けるのお願いします。」
「…分かったよ。」
縁下さんに、悪い事を頼んでいるのは分かっている。
だけど、シンデレラ最終回には例年通りなら、この一年で関わった人達がゲスト。
つまり、リエーフとは、もう一度会ってしまう可能性が大。
言ってしまったからには、やるしかない。
手早く買い物を済ませて、自宅に帰りついてから、すぐに料理を作って。
縁下さんに渡して、今日一日は無事に終了した、と思っていた。
無事には、終わっていなかったと知ったのは翌日の朝。
社長から、入った連絡によって判明した事。
リエーフが公開しているブログに、しっかりと私の名前と手料理…昨日、慌てて作った、大して見た目も綺麗でもない弁当をアップしていた。
すぐに向こうの事務所が止めたのか、昼過ぎには削除されていたけど、ネットに一度は上がったものが消える事はなく。
あちらの社長さんが、今度こそお怒りで。
好きな方だった、モデル関係の仕事からは干されてしまった。