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【HQ】1年シンデレラ

第25章 好きな仕事


その瞬間、車内の空気は凍りつく。
だって、料理をするって事は同じ家に入るって事だ。
そんなの、もし誰かに見られたら堪らない。

「…縁下さん。リエーフがうるさいんで、コンビニか何かあったら止めて貰えるか?」
「あぁ、はい。そうしますね。」

前の2人が、何とか対策を取ろうと話をしているけど、リエーフの性格を考えると…。

「えー?いいじゃないっすか。俺ん家、来て作って貰えば。」

ほら、やっぱり。
言い出した事を諦める筈がないんだよね。

「リエーフ。手作りが良いなら、俺が作ってやるから。」
「男の料理なんて嫌です。」
「だからって、他んトコのタレントに迷惑掛けんな。」
「なんで、夜久さんが迷惑だって決め付けてるんですか。」

夜久さんが、リエーフを止めようとしていても、聞く筈がないのは分かっている。
それは、常に一緒に行動している彼自身が一番よく知っている訳で、長い溜め息を吐いた。

「…リエーフがこうなったら聞かねぇから、お前から断ってくれ。」

視線を私に移して、懇願している。
でも、私の口から断ったところで、純粋に意味が分からないって顔をしそうだ。

「私の家で作って、縁下さんか、夜久さんに運んで頂けるなら作ってもいいですよ。」

やり方としては、かなり面倒臭いけど、同じ家の中で少しでも過ごすよりは遥かにマシだと思う妥協案をだした。
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