第25章 好きな仕事
撮影の次に入るのがインタビューというのも、前回と同じで。
スタジオでリエーフとは別れ、着替えた後に別室へ。
それが終わった頃には、結構いい時間になっているのも、前回と同じ。
違うのは、私の心境。
シンデレラとしての活動開始したばかりの頃よりは、この世界になれてきたのもあって、酷く緊張する事はないし。
寧ろ、今は好きだと思える仕事だから、楽しんでインタビューも終える事が出来た。
私の気持ち以外は、前回と同じ事が多かった本日のお仕事。
ここから先も、同じ事があるなら…。
「だーかーら。前見て歩かねぇと危ねーよ?」
そう、廊下でリエーフと会うのだ。
まぁ、今回はぶつかる前に声が聞こえたから止まれたし、全てが全て、同じ訳ではない。
「リエーフ、なんでいるの?」
「りこを待ってた。一緒に帰ろーぜ?」
「…いや、ちょっと無理。迎えの人が来るし。」
ここまで、前と同じ事があった撮影だ。
リエーフが強引だからって一緒に帰ったら、また変な噂がたつのは想像出来た。
考えてみれば、私の異性関係スキャンダルは、この人から始まっている。
だから、断ったんだけど…。
「いーじゃん。その人も一緒に帰れば。こっちも夜久さん一緒だからアイコだろ?」
よく分からない事を言い出した。
相子も何も、勝負なんかしていない。
でも、2人きりに拘っていないみたいだし。
夜久さんが居るなら、下手な事をしたら蹴り入れられるのを承知で誘って来ているのだろうから、了承した。