第24章 代理
岩泉さんと塩キャラメルって似合わない。
こんなの、何で持ってるんだろう。
もしかして、甘いものとか好きなのかな。
それを食べている姿を想像すると、笑いが止まらない。
「オイ、コラ。テメェ、人に笑われて機嫌悪くしたクセに、人の事笑うんじゃねぇ。」
ちょっと低い声が聞こえたと思ったら、頭に軽い衝撃。
塩キャラメルで、小突かれていた。
それで、ピタりと笑いが止まる。
「ごめんなさい。…でも、岩泉さんとキャラメルって面白い組み合わせだなって。」
謝る事は出来たけど、一緒に漏れた本音の所為で、またも舌打ちされた。
「俺の好みじゃねぇよ。」
掴まれていた手が離されて、そこに放るように渡された箱が残る。
機嫌を悪くしてしまったのか、先を歩かれてしまったから後を慌てて追い掛けた。
「あの、本当にすみません。決して、バカにしたとかじゃなくて、純粋に意外だと思っただけで…。」
言い訳をすればする程、嘘臭くなっていく。
横に並んで、伺うように顔を見ると眉間に深く皺が刻まれていて。
これ以上は、何を言っても無駄な気がしたから口を閉じた。