第24章 代理
時間は有限なんて事は、分かっている。
後、3ヶ月程で答えを出さなきゃならない。
芸能界に残るか。
芸能界に残らないか。
どちらを選んでも、問題はある。
残るとしたら、事務所の問題。
契約を継続してくれたら有り難いけど、継続してくれなかった場合…。
私程度がフリーでやっていける程、甘い世界ではない。
残らないなら、仕事の問題。
働かないで生活出来るってだけの給料は貰っていない。
若い…とは言えない年齢で再就職は厳しい。
こんな事を、ずっと考えているけど、それで簡単に答えが出るなら、そもそも悩んでない。
誰かに相談しようにも、元から友達は少ない。
じゃあ、現在周りに居る人は?って考えても…。
社長や縁下さんには、シンデレラ終了後の責任まで持てない事を最初に宣言されているし。
リエーフや光太郎は、こういう相談をするには頼りないし。
京治くんは、真面目に聞いてはくれそうだけど、結構辛辣な言い方をするから傷付く気しかしないし。
会社を辞めて今の仕事をしている身で、澤村さんや月島さんを頼るのも違う気がするし。
あーだし、こーだし、で。
相談しない言い訳ばかり考えていても何も変わらないのは分かっている。
だけど、誰かに相談する勇気自体が無かった。