第4章 二次会は3人で…
帰らせてはくれるようだけど、すぐに、ではなくて。
3人で、取り合えずバーから出たけど、タクシーが来るまでの間を持たせるような事すら出来なくて。
気まずい沈黙。
やっと来たタクシーに乗り込み、最後の挨拶をしようと車外を振り返った時。
まだ、開いていた扉から、何故か月島さんが乗せられた。
「女性なんだから、ちゃんと送るんだぞ。」
「なんで、僕が…。」
「なんでも、だ。一時期でも一緒に仕事をした仲で、1つの会話もせずに別れなくても良いだろう?」
驚いて、目を瞬かせている間に、2人の間で話が進んでいる。
最終的には、月島さんが折れて、澤村さんからタクシー代名目のお金を受け取っていた。
「じゃあ、大熊。元気で。…シンデレラ、頑張れよ。」
閉まった扉の窓の外。
澤村さんから最後の言葉と手を振って見送られ、動き出すタクシー。
月島さんから離れたい、早く帰りたい、本日という日を終わらせたい。
そんな事ばかり考えていた私は、爆弾を残されていた事に気付いていなかった。