第22章 食レポ
撮影の後に、その部屋をそのまま予約って出来るものなの?
なんで、スタッフも帰っちゃうかな。
それに、この部屋って事は別々に部屋をとっている訳じゃないから、同じ場所に寝るって事だよね?
何を考えているんだろう。
私は、男性関係のスキャンダルを起こしすぎているから、軽率な真似は出来ないのに…。
「この撮影の後に掃除して、他のお客さんを入れるのは現実的に無理でしょう。旅館としては一部屋空室より、予約が入る方が良い。このまま泊まるのは交渉だけで了解頂けました。」
パニック状態だったから全て口から出ていた疑問。
一つ一つ、解決するように京治くんが淡々と話している。
「スタッフには、貴女の慰労という事で、納得して貰いました。最近は地方での撮影が多くて、疲れているでしょう?顔色、悪いですよ。
だから、休んで頂けるように俺も別の部屋をとろうとしたんですが。先日、他の番組でも取り上げられた旅館だったので、満室でした。」
説明のお陰で、この状況をやっと理解出来た。
でも、私にとって最重要な部分が解決していない。
同室っていうのは、どう考えても大問題。
「私の慰労って気持ちは有り難いけど、同じ部屋っていうのは無理だよ。キャンセル料なら出すから、帰ろう。」
駄目だと拒否を示して首を振ったけど。
京治くんの方も、帰らない意思を示すように首を振って返された。