第22章 食レポ
こういう事が続いて、ついにキレてしまった京治くん。
なんと、仕事の一貫としてロケに着いてきてしまった。
しかも、シンデレラの番組でテレビ出演経験がある上に、見た目の良い彼はゲストとして私と一緒に町を巡る事になる。
隣で監視されながら、食べ歩きをするのは辛い。
先にスタッフから、紹介する予定の店を教えて貰って、そこに顔を出す度に名物らしきものを与えられるけど。
一口食べて、感想を言うと、すぐに隙をつかれて手の中の食べ物が奪われる。
不満気に顔を見ても、平然としたまま、私の食べ掛けを自分の口に入れてしまっていた。
スタッフも、一番初めにやった時こそ驚いていたけど、私の体型管理の上で大切な事だと説明を受け。
それなら仕方ない、と私が一口食べると絶妙なカメラワークで手元と京治くんを映さないようにしている。
食べ物を奪われるのは仕方ないとしても、食べ掛けを食べてしまうのは如何なものかと思う。
だって、間接キスだよね、ソレ。
本人は気にしないのかも知れないけど、こっちは意識してしまって。
段々と、京治くんの顔が見れなくなっていった。