第8章 あなたの笑みを誰も知らない
“これに懲りたらもうここには来ないことね~
それに良いことを教えてあげるー‥“
何度も蹴られ最後に極上の笑顔と共に言われた言葉
『‥はぁ』
身体が痛いし重い、動くのが億劫だ
何とか立ち上がりトイレを出る
今日は厄日かもしれない
また階段を上がるのも辛いし‥帰ろう
階段とは逆方向の出入口に向かい歩く
一応受付けのひとに会釈をする
そして外に出ると
『‥綺麗!』
さっきまでの雨が止み夜空に浮かぶ星がとても綺麗だ
雨が降って散々な目にあって‥
でも綺麗な星空はお母さんが“見てるよ頑張れ”って言ってくれている気がした
以外と私ってポジティブなのかも‥
どのくらい星空を眺めていたのだろう
「おい‥勝手に帰るな‥」
後ろから威圧的な声が聞こえた‥
『‥仁さん‥』