第8章 あなたの笑みを誰も知らない
階段を上がるとフロアが見渡せる
下を見ると一気に視線を浴びた…なぜ?
女だけでなく男の視線まで…
穴が空きそうなほど見られ視線に殺されそうだ
『海斗…さん?歩くの遅いんでもっと早く進んでください。殺されます…』
「…プッ…この階段上がるときにそんなこと言うの…あいりが初めてだよ…ププッ…」
何が面白いのか理解し難い
私は何かしたのか?
もしくは単に海斗の頭の中がいかれているだけなのか
「失礼なこと考えてるでしょ?」
『そんな事‥』
「顔に書いてあるよ」
『えっ‥』
「嘘だよ」
『滅んで』
「ひどいあいりちゃん」
『‥‥。』
「えっ?無視?無視しちゃう?俺悲しい」
海斗なんか放置だ
「着いたよ‥」
階段を上りきったところの扉の名前は“VIP”…ビッ…プ…っ!?ビップルーム!?
こんなところに…入ってもいいのだろうか…
海斗はその扉を開ける
「どうぞ…あいり…」
『ありがとう…』
一緒に中に入り扉を閉める海斗
さっきまで聞こえていた大きな音が急に静かになった
『…広い……』
「海斗~その子だれ?今日の相手?」