第8章 あなたの笑みを誰も知らない
「新顔ちゃんさ~知ってる?この“ルナ”に来る女の目的は2つだけ。ひとつは“X“に抱かれに。もうひとつは“X”の情報を盗みに。新顔ちゃんはどっちなの?」
探るような瞳…この目は苦手だな…
『あの、私はただ…「おい海斗…」』
「何?仁?」
「そのチビは俺が連れてきた」
「…え?仁が?」
「‥‥。」
「ふーん。新顔ちゃんお名前は?」
『あいりです…』
「あいりちゃんか…着いてきて」
『あの…タオルありがとうございます…』
「いーよー別に。」
彼…海斗に着いて行く
さっきの男性は仁さんで間違いなさそうだ…
仁さんも海斗も人気なのだろう
女性特有の黄色い声が聞こえる
それを無視して歩けばフロアの一番奥にある階段の前に着いた
『?』
「ここ上がるよ」
『…はい』
そんな確認しなくても普通に上がればいいのに…