第8章 あなたの笑みを誰も知らない
「ひとつ目はあいりの存在が噂になっています。
ある程度予想はしていましたが広まるスピードが異常に早いです。ただ名前はまだ広まっていないため、これは対処できます。」
優は淡々とした口調で話す
自分のことだけど、どこか他人事のようにしか感じない
そんな私を仁は後ろから抱きしめ腕の力が僅かに強くなる
“心配すんな”そう言ってくれている気がした
「特に問題なのがふたつ目です。
近辺の族が次々に抗戦を行い潰し合いをしています。また、その影響か、裏で薬の回りが盛んになってきています。原因がまだ把握はできていませんので引き続き調べます…。」
「……」
黙っている仁が心配で振り返ると相変わらずの無表情
「…どうした?あいり?」
『いやっ、別に…』
「フッ…売られるまで喧嘩はするな。喧嘩するなら相手を潰せ。情報を集めろ。見張りの強化。」
「分かりました。下に送っておきます」
優は直ぐにスマホとパソコンを使い始めた
相変わらずすごい早さ…
ぐうううぅぅぅ~…
「「「「……っっ!!」」」」
やってしまった……