第4章 番外編①
新side
「莉乃?話ってなに?」
放課後校舎裏に呼び出された
「あ…あのね?」
「なんだよ。」
今日の莉乃はなんだかおかしい。いつもは相手の目を見て話すのに今日は全く俺を見ねぇ…
「だからそのっ…」
「どうした?お前らしくねぇ…」
「…新が好き!」
「…は?」
「だから新が好きだって言ってんの!
何度目も言わせんなバカ!」
顔を真っ赤にさせ睨まれる
莉乃が俺を…
「…っ…振るなら振ってよ!…っ…振れ!」
キレて…半泣きで…
「っ…お前は」
莉乃の手を引き抱き締めた
「何で抱き締めんだよ!優しくしないで…」
腕の中で暴れる莉乃
「…莉乃…俺もお前が好きだ」
「…えっ?」
今度は莉乃が目を丸くさせる
「出会ったときからずっと好きだった」
「でも今じゃねぇって…」
「本人前にして本当のこと言えるかよ…」
「…あいりは?」
「あいりは高すぎて手が届かない…」
「私は届くと?」
「俺にはお前がちょうどいい」
「新の癖に生意気ね」
いつの間にか莉乃と笑い会っていた
莉乃は気が強くって仲間思いで頼りになる
でもたまに弱気になったり怒ったり泣いたり…
そんな莉乃が可愛くって愛しいと思ったのは多分初めから
莉乃の前だとカッコつけたくって
言った言葉が仇となった
「好きだった…莉乃」
「…っ…ん…」
初めてキスをした
彼女の唇は甘かった
「みんな待ってる…帰ろっか」
「そうね」
沈みかけている夕日はいつもより綺麗に見えた