第3章 人の噂は3カ月程度と思います
翌日適当に朝の準備を済ませホテルをチェックアウト
スマホの電源は切ってある
きっと夏海からたくさんLINEが来てるだろうし保存してある母親との写真を見ると一層寂しくなっちゃうから
一度駅に戻り周辺の地図をもらった
この町は染め物や魚介類が盛んな町らしい
人の噂は75日って誰かが言ってたような気がする…
3ヶ月くらいで大丈夫かなと思いつつウィークリーマンションを契約した
未成年は契約できないって言われるのは分かっていたから母親の古くからの友人のたっちゃんに来てもらった。
相川達也(たつや)通称たっちゃん
たっちゃんはどっかの社長さんをしていてスゴく可愛がってくれる
母のことが昔から好きだったみたいで父が亡くなった後、結婚しようと何度も誘ったが母は首を縦に降らなかった
たっちゃんはイケメンだし優しいし何より母を愛してるのが幼い私にも伝わるくらいだし‥何も問題ないじゃんと幼いころ疑問を持っていた
暇があるとボロアパートに顔を出し一緒にいてくれたたっちゃん‥
運動会も来てくれたっけ‥
母親が亡くなったとき仕事を放り出し一番に駆けつけてくれた
一緒に泣いてくれた
今では私の親代わりまでしてくれている
「手続き終わったぞ~どこか行くか?」
「社長…明日一番で会議ですけど…」
「会議よりあいりだろ。会議の時間遅らせろ」
「畏まりました。会議の時間を変更させていただきます」
『ちょっと…たっちゃんしっかり仕事をして!
竹内さんもわざわざたっちゃんに合わせなくていいから』
「なんだあいり冷たいな~俺にお前よりも仕事を優先しろというのか…たっちゃん悲しい…」
泣き真似をするたっちゃん…
「社長帰りますよ。これ以上あいり様を煩わせないでください」
敏腕秘書の竹内さんはいつもパソコン片手にお仕事中だ