第16章 温厚な人ほど怒ると怖い
夏海はご両親と大和さんが迎えに来られたからそこで別れた
“面白いもの見せてもらったわ〜”とか嬉し気に手を振ってたけど…
面白くないわっ!
そのままホテルの受付の人にカードを見せ、美人のコンシェルジュに部屋を案内される
エレベーターでぐんぐん上まで登る
着いた先はいたって普通の茶色のドア
防犯上他の部屋と見分けがつかないようにしているそうだ
カードキーをかざし中に入る
何かありましたらいつでもお呼びくださいと美人のコンシェルジュは静かに頭を下げドアを閉めた
『…っ!すっ…ごーい!』
部屋の広さ、家具類の品の良さに思わず声が出てしまう
外には、イルミネーションのついたプールまである
そしてお決まりの“タタタタッ、ドーン!!”
大きなベッドにダイブ
行儀が悪いとか言わないでほしい
私しかいないもんねっ
上質なホテルの匂い
広々としたベッド
ゴロゴロするが5回転くらい余裕
ソファに移動してふぅと落ち着く
今日は色々あったけど…
なんと行っても桜宮の人たちには驚かされた
祖父の神崎のこととか相談しないとな…
パーティーの緊張が一気に解け
意識は微睡みの中に落ちていく……