第16章 温厚な人ほど怒ると怖い
その後龍ちゃん、綾香ちゃん、仁はお客さんたちに囲まれてしまった
“部屋取ってあるから大人しく待ってろよ”
仁にカードキーを渡された
夏海が遠くから手を上品に降ってる
「あいり〜!お疲れ様」
『夏海っ酷いよ!』
「何が?」
『龍ちゃんが仁のお父さんって知ってたでしょ?』
「ええ、もちろん」
教えてよねっ!って文句は言いつつ、だから夏海は龍ちゃんなら大丈夫ってあのとき言ったのか…
「このあとあいりはどうするの?」
『仁がカードキーくれた』
「見せて」
………。
カードキを見た夏海が固まった
『夏海?夏海さーん?』
あれ?反応がない?耳元でもう一回言ってみる
『もしも〜「煩いわよ〜!」』
『へ?』
「あんた…あんたどれだけ仁さんに愛されてるのよ!?」
『…何が?』
「この部屋っ!すっごく高いのは言うまでもないけど、予約が年単位で埋まってる部屋よ!?人生一度はいってみたいってパーティーやお茶会で話題に上がる超すごい部屋!」
『……怖っ…』
「あんた羨ましいわ…
早く部屋行って一秒でも長く部屋を堪能してきなさい」
『そうします…』