第16章 温厚な人ほど怒ると怖い
桜宮修三!?
はぁ?何であの分家のデブで禿げたおっさんなのよ!?
確か今年30歳半ばじゃなかったかしら?
あの桜宮の面汚しって言われている?
いつもやたら私のことを脂まみれの顔でねちっこく見ていた
壇上に修三が来て私の隣にピタッと並ぶ
「よろしくね…愛ちゃん
ずっと前からきみを見ていたよぉ
きみと結婚できるなんて夢のようだよぉ
一生大切にするね…」
ニタッと笑って黄ばんだ歯を見せる修三
悪寒と鳥肌が立つ
「……っ」
なんで!?どうして!?
「…では今回の婚約発表がより良いものになりますように、そしてお集まり頂きました皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。」
居ても立っても居られずパーティー会場を飛び出した
…嘘でしょ…。
今日は私と仁様のパーティーのはず…
パーティー会場を出るときの周りからの目
クラスの同級たちからのあの目!
屈辱的だわ!
ありえないありえない!
どうして!?
〜橘愛side end〜