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あなたにだけは囚われない!【R18】

第16章 温厚な人ほど怒ると怖い


ザワザワザワ

「ねぇ、あいり‥。」

『うん、多分来たんじゃない?』

学校や夜の繁華街、セレブたちのパーティーだろうと対して変わらない

女性特有の黄色い声はないもののパーティー会場全体の雰囲気がガラッと変わった

「やはり格好いいですわ!」
「お父様!あの方と私結婚したいですわ!」
「あそこのご子息は何人だったかな?」
「桜宮様は今日も夫婦揃ってご出席ね」
「いつ見てもお美しいわ」
「桜宮グループの今年の収益がまた上がったんですって」
「今日のパーティーのメインは桜宮様ですわよね?」
「何かあるのかしら?」

人垣ができていて姿は見えない
でもこの先に仁がいるはず

桜宮の夫婦ということは仁の両親もいるのだろう
あの仁を育てた親‥ちょっと気になる

ひょこっと人と人の間から顔を出す
‥がやっぱり見えない

『夏海‥見えない』
「あとあんたが20センチくらい身長伸ばせば見えるわよ」
『肩車してくれる?』
「目立ちたいならするわよ?きっと明日の学校の噂は私たちで持ちきりね。桜宮のパーティーで『やっぱり大丈夫です‥』‥‥あらそう?」

肩車作戦は不発
次の案を考え何か使えるものがないか当たりを見回す

‥‥‥えっ!?

『綾香ちゃん!?龍ちゃん!?』
こんなところに知り合いがいた

「あら?あいり~!」
向こうも気づいてくれる

「あいり会いたかったわ~!」
『私も!』
パーティーのど真ん中で綾香ちゃんとハグをした



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