第2章 剛くんの宝物。
暑くて目が回りそうな夏の午後。
剛は、彼女の令子と待ち合わせをしていた。
「あっちぃなー、令子のやつ、まだかよー。」
そう愚痴をこぼしながら、手で顔を仰ぐが
全く意味がない。
今日は、ふたりでプールに行く予定なのだ。
久しぶりのデートにワクワクする気持ちと、
暑さによる不快感が、剛をとりまく。
そうこうしていると、
「おまたせー!」遠くから、愛しい声。
フリルの淡いピンクのスカートに
白いシャツ。なんともまぁ、女の子らしい格好。
可愛いな、なんて見とれそうになるのを、
必死で頭をふって平然を装う。
「ごめんね、出るの遅くなっちゃって。」
申し訳なさそうに、
上目遣いでこちらを見るから、
もうお手上げだ。
「いいよ、気にしてねぇから。
それより早く行こうぜ。」
と、令子の手を取ると、少しばかり
驚いてこちらを見ながらも、
すぐに嬉しそうに微笑む令子。
なんて可愛い彼女だろうか。
ふたりはプールへと向かった。