第1章 はじまりの日
帰りに霧子が好きなケーキも買って、
きちんと謝る準備もでき、
玄関のドアをあけた。
「ただいまぁ」と中に入ると、
そこには霧子が立っていた。
「き、霧子、あのさ、、」
謝ろうと口を開いた時、
「ごめんなさい!」
霧子からの謝罪がふってきた。
え、と霧子を見ると
目にうっすら涙をため
「今朝は言い過ぎて
あなたの事情だってあるのに、
ほんとにごめんなさい。」
その謝罪が終わるやいなや、
進之介は霧子を抱きしめていた。
「し、んのすけ、、?」
驚いている霧子を強く抱きしめ、
「俺の方こそごめん、
霧子だって毎日俺のために
弁当用意してくれてんのに、
ちゃんと気持ち理解してやれなくて
ほんとごめんな」
そう優しく伝えた。
霧子もそれに答えるかのように
そっと抱きしめ返した。
「ううん。ありがとう。」
ふたりは顔を合わせ
笑みをもらす。
お互いを思いあうことを
確認しあえたふたりは
そのまま暖かいリビングへと
向かって行った───。