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短編小説

第1章 日常(楽紡)



「パパ、きょうはやいって!おそばできるねっ」
「そうだね、今日はパパの好きなお蕎麦にしよう」

話をしながら、リビングへ戻ると、美来は保育園の身支度をし始める。
共働きの楽と紡なので、美来も『自分のことは自分でやる』という家訓にしたのだ。
今朝の顔を洗うというのもそのひとつ。
気付いた時には、身支度の大体のことは美来も自分でできるようになっていた。

紡もまた、洗い物をして洗濯をして干して…と、主婦の仕事も欠かさずに毎日やっている。
とはいえ、独身の頃とはまた違うので、社長のお父さんや万里さん、アイドリッシュセブンやTRIGGERのメンバーにも協力をしてもらっている。

お父さんの場合は、愛孫の為ならばと、最近重くなった腰も軽く上がるらしい。(八乙女社長も意外と可愛がっていたり。)

そんなことを考えながら自分の身支度をしていると、ズボンを前後逆に履いた美来が、紡の服の裾をくいくいっと引っ張る。

「ママ、できたっ」
「偉い偉い。でもズボンが逆だよ?」

指摘をすると慌ててズボンを履き直す美来が可愛くてたまらない。
紡の身支度も終えれば、部屋の中を軽く片して、美来と一緒に家を出る。

保育園のバス停まで手を繋いで行くと、ママ友に挨拶をしつつ世間話をして、バスが来るのを待つ。
しばらくしてバスがくると、それに乗り込む美来に手を振りながらお見送り。
ママ友との話も早めに切り上げ、足早にマンションに戻ると、駐車場へ向かい、車に乗り込んで小鳥遊事務所へ向かう。ーー

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